だからこそ、キミは。

「ふーん…。」



なんとなく歯切れの悪い佑くんの返事を聞いて、先生は特に何も言わずに佑くんを見つめる。



力強い目が。
鋭い目つきが。


全てを見抜いてしまいそうで、怖かった。



「…じゃあ、なんでコイツの元へ駆けつけたわけ？」

「……っ」



息が、止まるかと思った。


先生から視線を逸らせなかったのは、それをさせない真っ直ぐな先生の視線を感じたから。



先生は私が聞けなかったことでさえ、いとも簡単にやってのけてしまう。