だからこそ、キミは。




この時の私の世界は、有り得ないぐらい佑くんが中心で回っていた。



佑くんが、世界の全てで。
佑くんが、全ての私の行動の基準で。



中心が消え去った今、私の世界は静かに崩れ始めていたの。



「……。」




さすがに、今のはまずかったのかもしれない。



あからさますぎる私の態度に、爽くんは一瞬だけ悲しそうに顔を歪める。




爽くんは、なにも悪くないのに。


どこか当てつけのように爽くんと接する、自分に嫌気が差した。