涙が頬を伝う。
「なんでそんなに優しいんだよ!?」
優し過ぎるの。
涼の胸を何回も殴る。
「どうしてそう簡単に許すんだよっ。裏切られたってなんでそう怒鳴らないんだよ!?」
腕の中で暴れるあたしの全てを受け入れてくれるかのように、涼は腕の力を弱めない。
――大丈夫だ。
そう、言われているみたいに。
なのにあたしは優しさに触れるのが怖い捨てられた犬みたいに噛みつく。
「お前は最低な奴だって言ってよ!仲間を裏切った最低な奴だって…っ」
グッと抱き寄せる力を強めた涼。
「言わねぇよ。ぜってぇ言わねぇー」
大人しくなったあたしをゆっくり離す。
涼の顔を見上げた。



