綺麗な桜の花びらが散っている。
ピンク色の桜の花びら。
グラウンドに繋がっている階段にあたしと柊は微妙な距離を保って座っている。
上を見れば晴れ渡る空。
前を見れば使われてないであろう運動場。
横を見れば桜の木。
平凡なありふれた学校の風景。
「そっか……」
ポケットに手を突っ込んでいるあたしに呟いたのは柊。
――全てを、柊に話した。
黄金の桜と呼ばれていた頃に親友に裏切られたこと。
挑戦してみたくて引っ越しと共に男のフリをして、桜達に出逢ったこと。
桜達のこと。
香と出逢った日のこと。
涼が好きなことも。
全部を包み隠さずに話した。