しつこく降っていた雨が、だんだん弱まってくる。
じきに、雨が上がりそうだ。
こんな時だから、補欠は家を飛び出して姿をくらませたんじゃないのかと思う。
もうすぐ、高校最後の夏がやって来る。
補欠にとっては、大切なかけがえのない夏だ。
甲子園をかけた、夏だ。
そんな時期を前に、こんな事が起きてしまうなんて思ってもいなかったのだろう。
最悪。
あたしはまたしても、補欠の心をかき乱してしまった。
大バカヤロウ、コノヤロウ、だ。
もう、うんざりだ。
最低最悪だ。
さすがにもう手に負えねえや。
そう思われても仕方のないことだと思う。
さすがの補欠も、ほとほとうんざりしてしまったかもしれない。
大好きな学校を一時休学、入院と手術、治療を乗り越えて退院できたのは、ほんの二か月ほど前の事で。
やっぱり、全摘できなかったという理由から、残っていた悪魔が再びあたしに刃を向けた。
また手術を受けなければならなくなってしまった。
でも、どうせまた、同じ事の繰り返しになるんだろう。
だって、どうせまた、部分摘出しかできないのだ。
良性といえども、場所が悪ければこんなものだ。
運が悪けりゃ、こんなもんだ。
何度手術を試みたところで、同じことの繰り返し。
「お父さん、もう一度、響也に電話してみてよ」
怒鳴るように洋子が言うと、貴司は早口で返した。
「何度もしてるじゃないか、さっきから何度も。でも、繋がらないんだ」
「まあまあまあ。響ちゃんもびっくりしたんだと思います」
と、今にも取っ組み合いにでもなりかねない貴司と洋子を、母がなだめた。
「……もう、嫌になったんだって、たぶん。さすがの補欠もあたしに愛想つかしたんだって」
じきに、雨が上がりそうだ。
こんな時だから、補欠は家を飛び出して姿をくらませたんじゃないのかと思う。
もうすぐ、高校最後の夏がやって来る。
補欠にとっては、大切なかけがえのない夏だ。
甲子園をかけた、夏だ。
そんな時期を前に、こんな事が起きてしまうなんて思ってもいなかったのだろう。
最悪。
あたしはまたしても、補欠の心をかき乱してしまった。
大バカヤロウ、コノヤロウ、だ。
もう、うんざりだ。
最低最悪だ。
さすがにもう手に負えねえや。
そう思われても仕方のないことだと思う。
さすがの補欠も、ほとほとうんざりしてしまったかもしれない。
大好きな学校を一時休学、入院と手術、治療を乗り越えて退院できたのは、ほんの二か月ほど前の事で。
やっぱり、全摘できなかったという理由から、残っていた悪魔が再びあたしに刃を向けた。
また手術を受けなければならなくなってしまった。
でも、どうせまた、同じ事の繰り返しになるんだろう。
だって、どうせまた、部分摘出しかできないのだ。
良性といえども、場所が悪ければこんなものだ。
運が悪けりゃ、こんなもんだ。
何度手術を試みたところで、同じことの繰り返し。
「お父さん、もう一度、響也に電話してみてよ」
怒鳴るように洋子が言うと、貴司は早口で返した。
「何度もしてるじゃないか、さっきから何度も。でも、繋がらないんだ」
「まあまあまあ。響ちゃんもびっくりしたんだと思います」
と、今にも取っ組み合いにでもなりかねない貴司と洋子を、母がなだめた。
「……もう、嫌になったんだって、たぶん。さすがの補欠もあたしに愛想つかしたんだって」



