「……ふぬーっ」 ダッフルコートの前をしっかりしめて、マフラーを巻き直す。 ふと空を見上げたら、まだ上っていない朝日の変わりに…うっすらとした真っ白い三日月がぽっかり浮かんでいた。 周りがまだ暗く、雲の切れ間からチラチラとしか見えないからかすごく幻想的に見える。 「綺麗……」 誰かがいるわけじゃないけど、思わず感嘆の声を漏らしてしまった。 天文部だったころなら今日は1日この話題なんだろうなと思った。まぁ、もうない物を悔やんでも仕方ないんだけど。