「蒼刃のことはからかってるだけだ。
あんまり気にすんな。」

「気にすんなと言われても…。
あのままじゃ、蒼刃が本当に飛びかかりかねないし…。」

「あのなぁ…お前は俺を誰だと思ってるわけ？
確かにあいつはソードの使い手で戦闘能力には長けているがな、それでもほぼ対等には戦えるぞ？魔力を駆使して。」

「…まだまだ不安定な世の中で、僕は二人に無駄なことをしてほしくないだけなんだけど。
というか…僕から見て、蒼刃も確かに大人げないけど…月叉の方が大人げないかな…なんて思ったりもするし。」

「はぁ？」

「月叉の方が年上だろ？
だからもうちょっと理性的に行動してくれても…。
蒼刃のことを本気で嫌いなわけじゃないんだろうし。」

「…俺は嫌いだぞ。」

「嘘だね。
星来を取られたから多少はまぁ…いらつく気持ちもあるかもしれないけど…。」

「おい待て!!星来をあいつにやったわけじゃねぇぞ!!俺はあいつを認めては…。」

「星来のご両親も、陛下も認めてくださってるだろ？
…月叉は昔からずっとシスコンだよね。」

「そうじゃねぇ!!つーかお前こそブラコンだろ？」

「んー…まぁそうかもしれないな。
蒼刃は今までずっと辛い思いをしてきたから…今度こそ幸せになってほしいって思ってるよ。」


これは僕の正直な気持ち。
蒼刃には…幸せになってもらいたい。


「…ったく…お前は何でもサラっと言うよな本当に。」

「そうかな？」

「無自覚かよ。まぁいいけど。
つーか暇だなぁ…おい緑志、蒼刃連れてこい。」

「なんで？」

「からかって遊ぶため。」

「…大人げない。」

「んだと？」