* * *


1年前のあの日。
星来に新しく女の子が入るって紹介されて、美風に出会った。


今日と大して変わらない、おどおどした表情が印象的で、正直大丈夫なのかなって思ったくらい、か弱かった。


整備の責任者であるボクは一通り美風に施設を案内することになって、案内をしていたら、手違いでとある部品が飛んできた。


すんでのところでかわしたけれど、頬を掠ってしまい少しだけ血が出た。


「ととと桃依様っ…!血が…。」

「え…?あー避けきれなかったかぁー…。
でもこんなの掠り傷だよ。仕事終わったら白斗のところ行くからだいじょーぶ!」

「あの…っ…。」

「んー?」

「ごごごご迷惑じゃなかったら…っ…私に治させてくださいっ…。」

「え…?」


おどおどしていたはずの表情が一変していた。
真っすぐにボクの目を見つめ、傷を見つめ、心配そうな表情を浮かべている。


―――ボクは驚いたんだ。
星来以外に、こんなに真っすぐな目をする女の子を知らなかったから。


同時に、胸がざわついた。
初めて、ざわついた。