「あの子たち、双子かなぁ。」

「どうだろうな。でも年近い感じがした。」

「ね!可愛かったね。やっぱり家族が増えるって…幸せなことなんだなぁって、蒼刃の顔見て思っちゃった。」

「…え…?」


腕の中の星来を離して、その目を見つめる。


「蒼刃に抱っこされてる女の子も、蒼刃の裾引っ張ってた男の子も優しい顔してた。蒼刃も穏やかな顔で笑ってた。
…あたしはそんなみんなの写真撮ってたから傍にいなかったんだよ。
だからね、あたしもきっと笑ってる。蒼刃に負けないくらいたくさん。」


そう言ってにっこりと微笑んだ星来に、思わず笑みが零れる。


「あたしも子ども、ぎゅーってしたいなぁ。蒼刃だけずるいー!」

「悔しかったら俺の夢まで飛んで来い。」

「もー!呼んでくれたらすぐ行ったのに!
ていうか蒼刃が子ども抱っこしたまま来てくれれば良かったのに!」

「んだそれ?でも…そーだな。待ってんのは性に合わねぇ。
…寝るか。」

「え…?」


俺はゆっくりと横になった。
それに合わせて星来も横になる。
そして自然に視線は絡み合う。


「夢で待ってろ。連れてってやっから。」

「はーい!」


一度だけにこりと微笑むと、すうっとまるで子どものようにあっさりと眠る星来。
そんな瞼に口づけて、夢の続きを想う。


俺一人で子どもだけじゃなく、お前も抱きしめてやるから。
だから安心して、飛び込んでこい。


…絶対離さねぇし、後悔させねぇ、からな。


*fin*