* * *


あれはいつだったか…
オレは全てを打ち明けたことがあった。
旅で起こったことも、オレの過去も全て…。
話して楽になりたかったのかもしれないし、許しを請いたかったのかもしれない。

決して楽しい話なんかではないのに、由里香は黙って…
ただ黙って、時折頷きながら、じっとオレの目を見て話を聞いてくれた。

それが…自分が予想していたよりもずっと嬉しかったのを鮮明に覚えている。
全て話し終わった後…





「話してくれてありがとうございます。」



優しい笑顔を携えて、由里香はそっとそう言った。



「…白斗さんがこうして生きることを選んでくれたことが私は嬉しいです…。
でないと…私がこうして白斗さんに出会うことは出来ませんでしたから…。」



「燈龍様にも…ありがとうと私は言いたいです。」





由里香の優しい言葉たちに…思わず涙が出た。