「桃依は大人だね…。」

「そうかなぁー?まだまだボク、子どもだよ?」

「そんなことないと思うけど。
蒼刃のこともそんな風に思っててくれてるなんて思わなかったなぁ…。
ホント、そういう考え方を蒼刃にも分けてやりたいところだよ…。」

「ねーっ!!蒼刃ってばホントにお子ちゃまだもんね。」

「それについては本当に。」

「あのさ…緑志にはさ、ボクが星来に『恋してる』みたいに見えた?」

「…見えなかった…かな。
どちらかって言うと…。」

「うん?」

「僕には桃依が僕たちみんなを家族みたいに思っているみたいに思えた。
あくまで僕は、だけど。」

「家族…かぁ…。
そう…なのかもしれないな…。
って言ってもボクには家族がいた思い出なんてほとんど残ってないんだけどね…。」

「それでも僕たちをとても大切に想ってくれたでしょう?
誰か一人でもいなくなることが…怖かったりしたんじゃない?」

「それはもちろんだよ!!誰かがいなくなることが嫌で…ボクは強くなりたいって…。」




ボクが強くなりたい理由はとても簡単だった。

みんなを失いたくない。
たったそれだけの想い。

もう二度と…ボクは自分が大切だと思った人間を失いたくない…。