結局なるみは、うれしいような・・・つまらないような・・・複雑な気分で進路だけは決めることができた。
虹色寮に今と変わりなく住みながら短大の保育コースに進むことにした。
そして今日は、日曜で学校は休みで、真樹は仕事でいない。
「仕方ないよねぇ。世間がお休みの日だからお客さんが来る業界なんだもの。
オーナーっていうだけでもすごい資産家って思ったのに、社長だなんて。
やっぱり私、好きになる人を間違えたのかも・・・。」
暇つぶしと修学旅行も近いこともあって、なるみは町のスーパーへ買い物へ出かけた。
「やっぱり大手のスーパーは品ぞろえがいいわね。
飾りこそカワイイまではいかなくても、体にぴったりなのがいちばん。
日用品は真樹さんが揃えていてくれるけど、下着までついでに買ってきてって言えないもんねぇ。」
そんな独り言を言いながら、スーパーを出てバス停へ向かう途中でふらりとよろめいて、道に倒れこむお婆さんを見つけた。
道路の真ん中近かったこともあってなるみは必死に走ってお婆さんに駆け寄ろうとしたらドンと何かにぶつかって自分がこけてしまった。
「きゃあ!!いったぁ~・・・」
目を開けるとさっき買い物した自分の下着が地面の上に広がって落ちている。
あわてて、拾いあげようとしたときだった。
大型バイクが目前に来ていた。
「危ない!」
なるみは間一髪で誰かと転がって助かった。
そおっと目を開けてみると、とても心配そうな顔をした桐谷輝明がいた。
「きりちゃん先生?」
「ごめん、お婆ちゃんを助けるのに君を突き飛ばしてしまった上にバイクにまでひかれるところだった。」
そう言うとなるみの落とした下着を拾い集めてきて黙ったままなるみに突き出した。
「ああっ!す、すみません。
拾わせてしまって・・・ごめんなさい。」
「けっこうたくさん買ったんだね・・・刺激的なのがたくさんで驚いた。
あの、よかったらお婆ちゃんをお送りするのを手伝ってくれないかな。」
「はい。」

