なるみはクスッと笑った。
そして、頭をぺこりと下げる。
「大迷惑かけてすみません。
一夜、お世話になります。
どんな目に遭っても後悔はしません。
だから、だから・・・」
桐谷は思わずなるみを抱きしめていた。
「何言ってるの。
もっと自分を大切にしなさい。
今夜は僕はきっと興奮しちゃって眠れません。
その責任はとってもらうからね。
僕とデートすること。OK?」
「きりちゃん先生ったら・・・」
そして翌朝、桐谷が目を覚ますとなるみの姿はなくなっていて、置き手紙だけが残されていた。
『おはようございます。
一晩お世話になってしまってすみませんでした。
昨日は言えなかったけれど、きよしくんのママがキスしてた男性は私の保護者です。
詳しいことはまだ言えないですけど、昨日は会いたくなかったんです。
でも、逃げてばかりじゃだめですよね。
きりちゃん先生のおかげで勇気が出ました。
寝不足の責任は近いうちにちゃんととりますから、怒らないでくださいね。
じゃ、いってきます。』
「なるみちゃん・・・そういうことか。」
なるみがこっそりと虹色寮の自分の部屋にもどるとすぐに玄関をたたく音がした。
「なるみ!帰ったのか?」
伊織の声がして、なるみはあわててドアを開けた。
「お兄ちゃん・・・こんな早くにどうしたの?」
「おまえを待ってたんだ。
真樹が熱を出してぶっ倒れてるんだ。
みてやってくれないか。」
「ええっ!!!」

