虹が見えたら


今度は両手の掌を上にあげた伊織があきれた顔をしている。


そして振り返って言った。



「須賀浦真樹・・・かつて俺の主であった男が、召使いの弟になるってことだ。
あはははははは・・・。」



「なっ!そ、そんな。
なるみちゃんはまだそんなこと考えてないよ。
ただ他人の世話にならずに自立したいって言ってるし。

ずっと年上の僕が勝手な想像しちゃかわいそうじゃないか。」



((でも、もし正攻法で家族になれるなら僕はこの先、なるみちゃんの交友関係に平然としていられるんだろうか・・・))