虹が見えたら


生徒会室でクラスの人数ごとに通信冊子を分けていると、入り口をノックする音がした。


「はい、どうぞ。」


「失礼します。執行部の人いますか?」


「あ、高倉くん!」


「山田ぁーー。どうしてここに?
あ、先に用事をすませなきゃ。」


「会計部長の松田ですけど、何かしら?」



「はい、来週、サッカー部は地区大会予選なんですけど、じつは今日マネージャーが2人ともインフルエンザにかかってしまって欠席なんです。

1週間は出て来れないし、臨時でマネージャーを引き受けてくれる人を募集していただきたいんです。」



「男の子でもいいのかな?募集してもいいけど、採用したマネージャーのコがまたインフルエンザになる可能性も高いわよ。」



「そうですねぇ。できれば女の子の方がいいんでしょうけど・・・この際ぜいたくはいいません。
普通に試合が終われるまでバックアップしてくれる人なら誰でも歓迎します。」



「わかったわ。じゃ、まず山田なるみ、あなた1名決定ね。」



「へっ?由起子先輩!わ、私は・・・」


「山田はバイトがあるし、これ以上労働なんて・・・無理じゃないのか?」



「生徒会も何かとこの時期忙しいし、人捜しの時間も惜しいから・・・なるみは心配いらないわ。
オーナーには私が許可とってあげるから。」



「そ、そんなぁーーー先輩。
それに真樹さんはサッカー部なんて・・・(きっと許してくれないよう。)」



「山田がマネージャーやってくれるんなら大歓迎だよ。
よろしく頼むな。」



なるみは由起子が決めたことだからとはいえ、今夜は真樹との話し合いの時間は避けられないことが決定したと思った。