翌日の夕飯は真樹の言ってたとおり、伊織が休みでいなかった。
なるみは手伝わないと!とはりきって、食堂へいくと、寮長はじめ6名ほど3年生が真樹の手伝いをしていた。
「あれ、先輩方どうして・・・」
「なるみちゃん、もしかして心配して見に来てくれたの?」
「え、そんないつも心配なんてしてません!
明日、遠足だから・・・ちょっと。」
「あっ明日だったね。お弁当のことなら心配いらないよ。
ほら、伊織はちゃんとここに準備してるから。」
「私のお弁当箱とおはしセットだわ。」
「あ~~~私も伊織さんのお弁当だけたべたぁ~~い」
「毎日、お夕飯いただいてるくせに。」
「そうなんだけどさ。あはははは・・・」
いつもなら真樹と先輩たちといっしょにわいわいするのが楽しいと思うなるみだったが、今夜はちょっとつまらない気分だった。
「大切なお兄ちゃんを彼女さんにとられちゃったらこんな気持ちになるのかな。
あ、ダメダメ。私はお世話になっているんだからぜいたく言ってる場合じゃないわ。
もっと謙虚に生きなきゃ!」
なるみは2年の友人たちと食事をして、そのまま自分の部屋へともどり、遠足の準備をしていた。
コンコン・・・
「はい、どなた?」
「僕だけど。お菓子持ってきたんだ。」
扉を開けると真樹が膨らんだレジ袋を手に持っていた。
「え!?小学生じゃないんですから、そんなにいらないですよ。
1つか多くても2つまででいいんですけど・・・。
恒例の遠足だから、真樹さんの方が知ってるんじゃないんですか?」
「え・・・ま、真樹さん?」

