「トドメをさす?」
なるみは壁に押しつけられながら、真樹の背中に手をまわした。
首すじから胸に真樹の唇がなぞられたときだった。
数人の女生徒の声が近づいてくる。
2人は慌てて掃除道具入れに飛び込んだ。
「あれ?落し物だわ!
洋服の上下なんて洗濯でもしてたのかしら?」
「これ、なるみ先輩の服だ。
もしかしたらお腹が痛くなったりして、部屋にもどってるのかもしれないよ。」
「じゃあ、このままにしておいてあげた方がいいよね。」
((ま、マズイよ。私だけならともかく、真樹さんがここで見つかっちゃったらそれこそ大問題になっちゃって学校との契約がなくなっちゃう。
それにだんだん寒くなってきたかも・・・))
なるみがそう思ったとき、後ろにいたはずの真樹がシャツをなるみに羽織らせて前から抱きしめなおした。
「シッ。」
シャワー室にきた生徒たちは砂で汚れた足を洗いにきただけだったようで、すぐにシャワー室から出て行った。
真樹は生徒たちが出るなり、すぐになるみの落とした服を回収して管理人室の裏に止めてあった車になるみを押しこむようにして自宅マンションへと移動した。
「あの、私この格好で・・・」
「僕の家までそれで我慢してて。
あっちに確か、新品の服置いてたはずだから・・・それまでね。」
「私の服?」
「アメリカ行ったお土産。ディ〇ニーとかミッ〇ィーとかあっちで見るとかわいくってさ~。なるみちゃんだったらサイズあうと思ってね。」
「それって、まさか・・・子ども服とかいうんじゃ。」
「ん?ジュニア服らしいよ。」

