管理人室へ行くと、学校の机と椅子が2人分置いてあった。
「ソファだと姿勢が悪くなっちゃうからね。
余分なやつもらってきた。・・・あっ、クマさんのパジャマやっぱりよく似合うね」
「あのう・・・真樹さん。できれば、ほんとにできればでいいんですけど、今度パジャマ買うときは私に選ばせてくれませんか。」
「えー!なるみちゃんはもしかして、クマさんよりウサギさん派だった?」
「いえ、クマさんとかウサギさんはかわいいんですけど、もう友達はこういうの着てる人が少なくて・・・。」
「えっ、他のコはかわいくないやつ? 言っとくけど、セクシーな夜着はだめだよ。
お腹とかお尻を冷やしちゃうといけないからね。」
「ま、真樹さん!そんなお母さんみたいなこと言わないでください。
私も来年には18なんですよ。
ふつ~に無地なのとか、小さな柄とかのでいいんです。
そっちの方が安いし。」
「そんなに急いでおばさんにならなくてもいいじゃない。
かわいいのはかわいいうちに着ないと。
花嫁衣装が似合ううちに結婚するのと同じだよ。
そうだねぇ・・・柄だったらイチゴがいっぱいのだったらいいかな。」
「そっちの方がなんかいやらしいですっ!”
わかりました。クマさんでいいです・・・。」
「うんうん、なるみちゃんかわいいからクマさんがいい。
そうだなぁ、ヒヨコさんやネコさんくらいまでなら変更してもいいよ。」
なるみは真樹の笑顔にやっぱり逆らえないと思った。
「かわいいわ、この人・・・。伊織さんの気持ちわかる気がする。」
そして、クマさんパジャマに紺のカーディガン姿でなるみは管理人室で勉強することになったのであった。
日曜日、なるみは真樹といつも出かけるスーパーではなくて、大きな駐車場のある巨大ショッピングセンターへ来ていた。
「ウワサには聞いていたけど、日曜はすごく賑わってるね。
お洋服買ったら後で、寮のみんなへのおみやげも買って帰るから手伝って。」
「はいっ。」

