「…翼さんに会いたくて…時間を戻したんですね…。」

「……。」

「でも…時間を戻すには…あなたの魔力の使われ方が少し違っていた…。」

「そんなことっ…!!」

「だから…歪んでしまったんです、時空が。」

「え…?」

「雷が大切に想っている子が…時空の歪みに巻き込まれてしまったみたいです。」

「そっ…そんな…。」

「…あなたを咎めたいわけじゃありません。
あなたの悲しさは…痛いほど伝わってきましたから。
大切な人を失うって…どんな気持ちなのか、私は経験したことがないから理解出来ません。
あなたの悲しみを…心で感じることは出来ても…自分の痛みとしては捉えることが出来ない…です…。
だから…あたしはあなたを責めたり出来ません。
だけど…。」

「……。」

「歪んでしまったものを元に戻したいとは思います。
会いたい人がいて、故意に会えなくさせられてしまったのならば…余計。」

「……。」

「…タイムの使い手が必要です。
特にあなたの…。」

「え…?」

「あなたの魔力がこの歪みの元凶となるものですから。」

「……。」

「手伝っていただくことは出来ませんか?」

「……。」


香澄さんの反応はない。