時の皇子と記憶の舞姫

「皆さん…教科書に載ってしまうほど有名ですよ…?」

「教科書!?えぇーボクが?」

「教科書って…勉強に使うものだろう…?
オレたちの何を勉強するわけ…?」

「…理解出来ない。」

「それで…美羽さんは僕たちのことを教科書で知ったのかな?」

「え…あ、もちろん歴史の授業でも皆さんのことは知っていましたが…
ほとんどは小さい頃に…雷(ライ)くんから…」

「雷?それってだあれ?」

「雷くんは…アクアマリンの第一皇子です。」

「えぇー!?じゃあいつかは国王かぁ…すごいねぇそんな人とお友達になれるなんて。」

「…少し状況を整理しようか。
美羽さんが来た時代は500年後の未来。場所はビーラルアクアマリンで間違いないかな?」

「…はい。」

「そこの皇子は雷…えっと名字は…。」

「氷泡雷(ヒホウライ)くんです。」

「その皇子様は…何か能力を持っていたりした?」

「…えっと…確か…『タイム』だったと思います。」

「え!?タイム…?」

「は…はい…。」

「もしかして彼が時空を歪ませたんじゃ…。」

「え…?」