「もしかして、最初からこの金額オカシイって気付いてた……とか?」 問いかけながら指差したのは、メーカーが間違って提出してきた見積金額。 そして目の前で笑顔を浮かべたままの夏川さんは、そのまま頷いて。 「安いなぁとは思ってたんだけど、ラッキーって感じ?だからそのままエリちゃんにお願いしたんだ」 語尾にハートマークがつきそうな軽い感じだけど。 確信犯…… そんな私の横で「あっ、やべっ」という声と立ち上がる音。