サヨさんの話す表情。
それは十分に傷ついている。
誰にも相談できなかった。
周りの友人達は、皆サヨさんは唯一夏川さんへ恋愛感情を持たない異性だと思っているから。
今更、夏川さんが好きだったんだと言えなかった。
――――エリちゃんだけなんだ。ハヤトの気持ちを言えたの。だからね、すごく嬉しい。
今まで、誰にも打ち明けられなかったんだと呟いたサヨさん。
ずっと1人で夏川さんへの想いを隠し通していて。
どれだけ辛かったんだろう。
どれだけ苦しかったんだろう。
どうして……
長年、サヨさんを見てきた夏川さんは、気付かなかったんだろう?
新たな疑問が芽生えたんだ。