「ハヤトとはね、今のままでいいの」
「え?何で?」
「もう友達歴10年以上でしょ。向こうだって私の男関係知ってるし、私も女関係は知ってる。だからもう恋愛にはならないんだよ」
そう言いながら、サヨさんは自分でどんな顔をしてるのか分かってるのかな?
泣きそうで。
辛そうで。
「すごく苦しそうに見える。そう言い聞かせてる気がする」
思ったことを口走っていて、それが止まらなくて。
「どれだけ友達づきあいが長くても、恋愛に進展したって不思議じゃないと思うけど」
「……の」
サヨさんの声が小さすぎて聞こえない。
身を乗り出して、もう一度問いかける。