その日から、美里と聖は仕事終わりに電話をするのが日課になった。






美里はほとんど同伴が多いため、聖がビラを配る道はなかなかとおれなかった。






しかし、美里自身、仕事で疲れたとき、聖の電話越しの声に心癒されていた。






聖は、高校へ昼間は真面目に通っているらしい。






親が転勤するとき、せっかく入りたかった高校に入れたため、この地に残って、今は一人暮らしをしていた。






親が仕送りをしてはくれるが、自分で決めたため、一人でやりくりしようと始めたのが、ホストのバイトだった。






高校生のわりに、かなりしっかりしている聖、見かけによらず、筋の通った男だった。







そんな聖が、美里の知らない、真面目で、自分を持っている姿が輝いて見えた。