「ねえ会長。なんで会長達みたいな財も才もあるような人達が、霧藤なんかにいんの?」


一人ノリツッコミから現実に戻り、私はそれを訊ねた。気になったことはすぐに聞かないとスッキリしない質だからね。


すると、前方を歩いていた皆川会長が振り向き、アシメの髪の毛の長い方の横顔が見える。


「俺達はいつかは経営のトップに立つ。あの学園にはそんな人間しかいない。しかし、実際俺の駒になる人間は一般人だろ?一般の、しかも不良を服従させれねえで、何がトップだ。上流階級の者とだけいたところで、出来上がるのはただの腑抜けだろ」


さも当たり前のように言い放つ皆川会長。だけど、うん。意外とちゃんとしたこと考えてんだな。不覚にも、カッコ良く見えたよ、ミジンコほどちょっとな。