「それより陽菜子、お前早く準備しろよ。皆川君達待ってるし、だらしねぇなぁ」


影兄は愛想よく笑うと、軽音部の朝練があるからととっとと出て行った。


「何なら僕が着替えお手伝いしましょうか？陽奈子さん」


「いらん！ってかいつまでエセ爽やか貫くつもりだコラ！キモいわ！」


私は朝からイライラして皆川会長目掛けてジャブを繰り出す。


しかし、エセ爽やか笑顔が張り付いたその顔は優雅にそれを躱すと、白飯の上に奈良漬けを乗せて一口パクリと食べた。


「おぉ、なかなか美味！秋仁、葵も食べなさい。この茶色いもの、シャキシャキしていますよ」


っておい！何故テメェが勧める？それは石葉家の朝飯だっ！