【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下

私達のスパーリングはジムの名物だったりする。


練習している人達も、面白いからとたまに行われるこれを観るためのギャラリーに変わる。


もちろん龍兄はプロだから、パンチやキックの重さに耐えなきゃならなくて、私は辛い。


だけど、龍兄はリーチの分俊敏さに欠けるから、私のスピードあるスパーの求め方についてくるのがやっとのようだ。


「ほら、ワンツーワンツー!右足遅い!」


「ったく……!手加減しろってのは俺の台詞だったか、なっ!」


重たいその蹴りを受け止めると、衝撃に耐えられなくてヨロリと体が傾く。


小さい頃からこんなんばっかりやって来たから、やっぱり私は普通の女の子とは違うのかな。


まあいいや。楽しいし。これが出来ないくらいなら、普通の女の子なんかじゃなくても良いかな。