「おい影兄影兄影兄ばかげとらー!」
「誰がバカゲトラだっ!上手いこと言ってんじゃないよ!」
うちに帰り、リビングででかい声を出すと、部屋で漫画を読んでたらしい影兄がリビングへやって来る。
「なんだよー、ついに兄ちゃんへの愛に目覚めたか、妹よ」
「ウルセーお前なんか早くふられちまえ」
「え、酷い。ってか最近ますます壮くんに似て口悪くなってるんだけど」
影兄は泣き真似をするように、手を目の下に持って行く。あー、ウゼー。もはや安定だろ。
「今、あー、ウゼーって思ったでしょ?顔に出てるからね。酷いなぁ」
「そんなことはいい。それより、影兄得意のホットケーキミックス使ったアレの作り方、今すぐ伝授しろ」
私のお願いに、影兄がまた、ウザい顔でニヤリ、と笑う。
「ほーう。……誰にあげるんだか?」
「別に。明日、生徒会メンバーで食うおやつに、するだけだし」
その返事に、満足そうにニヤニヤしてる影兄は、それが出来上がったらオーブンで丸焼きにしてやろうじゃないか。



