【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下

「おいひよこ、仔犬とじゃれてねえでリングに上がって来いや。相手しろ」


超絶なスパーリングでは飽き足らないらしい皆川会長が急に私に声をかける。


汗でキラキラと輝くミナがに、私は口元をぐにゃりと歪ませた。


……自分でも分かるくらい、今、ぎらついてる。私、思えばまだ皆川会長と手合わせしたことがない。遠巻きに強いってことを見ただけだ。


怖いもの知らずかもしれないが、挑んでみたい。目の前の美しい強者相手に、無意識に武者震いする。


「会長、それ、どういう意味か分かってんのか?私の土俵で戦うってことだぞ?私のが、完全に有利だけど?」


「ハン?誰に言ってんだ?テメェの土俵だろうが何だろうが勝つのは俺だろ」


この俺様に勝てるチャンスなんか、そうそうないぞ。これを逃してたまるもんか。