だけど、私は敢えてよろめく体勢を整えなかった。考えがある。


すると、容赦のないアッキー先輩は、そんな私に止めを入れようとする。


「隙、みーっけた」


薙刀を振りかざすアッキー先輩の脇腹目掛け、私は体勢を直ぐさま戻し、木刀を横に切る。


「…………!」


しかし、アッキー先輩はそれにギリギリに気付き、横に素早く飛ぶ。


だけど、木刀の先っぽに、微かに何か感触。一発は入らなかったけど、0.5発は入ったんじゃないか?


その証拠に、アッキー先輩は避けて横っ飛びした体をよろりと着地させた。


いくら強い奴でも、攻撃の瞬間に少しは隙が出来る。劣勢の私はもうそこしか狙えない。それが、自分が一発KOになってしまうリスクを背負った方法だとしてもだ。