もがいてもがいて、やっとの思いで顔を出す。 「ぷはーっ死ぬかと思ったっ」 そう言った睦月の手には、しっかりとビンが握られていた。 予想通り、中には白い紙が入っている。 それを眺め微笑む睦月の顔は、夕陽に照らされ、ひどく赤く染まっていた。 ハッと我に返った彼女は、慌てて岸に戻り、濡れた制服も気にせず、その場でビンを開けた。 中身はもちろん沖田からの手紙で、睦月の顔が余計緩まる。