「何してんのあの子?」





「さぁ?」




恵理と真帆が冷たい声を出す。



それに美奈は再び苦笑い。



「あたし睦月のとこ行ってくるよ。」




言って美奈は走り出した。



「睦月っ」



半径5メートル位で名前を呼ぶ。



すると睦月は転んだことも忘れたように、笑顔で手を振ってきた。




「美奈ー!」




「睦月大丈夫?」




そんな美奈の心配を無視し、手に持っている物を突き出してきた。




「見て見て〜」



「わっ何それ。きたなっ」


それはせっかく駆け寄った足を引いてしまうような真っ黒に汚れた"何か"だった。




「落ちてたのー」