「何か、本当に2010年の人みたいだな」
「え?」
隣で斎藤がボソっと声を吐いた。
「まだこの事件があったわけでもないのに?」
「あぁ」
「お前は、こいつの言うことを信じるか?」
「あぁ」
変わらぬ斎藤の返事に、沖田は自分の首裏を右手でさすりながら、ビンを持った左手を重力のまま下へとおろした。
「帰るぞ」
何も言わずに着いてくる斎藤に、本当に面白そうだと思って着いてきたのかと疑う。
そしてそのまま『蒼井睦月』の話をすることなく、屯所へ戻り、お互い自室へ入る間際に斎藤が口を開いた。
「総司。手紙の返事するとき、また呼んでくれ」


