「手紙!!」 「え?手紙?」 睦月は夢中でベッドを降りた。 だが、繋がれていた点滴に、そんな動作を阻止される。 「痛っ」 そして唇を噛みしめ、無理やりそれを外すと、病室を飛び出した。 「睦月!!」 お母さんの叫び声が聞こえる。 だが、そんなのに止まっている時間はない。 早く、早く確認したいことがあった。 誰がどんなに睦月を呼んでも止まることはない。 そのまま海へ走り抜けた。