「江戸時代・・・」




「って睦月?聞いてる?それがどうかしたの?」





「美咲、もう聞いてないわよ」




睦月の方に身を乗り出す美咲に、お母さんは微かに笑った。





案の定睦月はお母さんの言うとおり、自分の世界に入って何か考え事をしているようだ。





「ったく・・・」




少し大きいくらいのコロッケを口につめ、美咲をため息をつきながら睦月からテレビへと目線を変えた。





美咲は学校の成績もクラスで上位を占めるくらい良いほうで、家でもお手伝いもよくして、なかなか出来た子なのに、睦月はそれと真逆と言っていいほどだった。




だけど睦月なりに頑張っているのかもしれないが、天然キャラのせいか、どこかずれていた。




お母さんはそんな2人を微笑ましく見るだけだった。