そして1番下に書いてある年号だけ覚え、また元の引き出しに戻した。




「1864年っ1864年っと」




忘れないように、一歩一歩そう言いながら階段を下りる。




「お姉ちゃーん!」




「もー睦月、ちゃんと座って」




美咲までもがそう言い、それを見てお母さんが微笑んだ。




もう高校2年生の美咲は、なかなかお姉さんらしくなってお母さんも嬉しいようだ。





だけど、美咲の注意でさえ睦月は聞こうとしない。




自分のことで精一杯みたいだ。






「1864年って、江戸時代?」





「1864年?うん、江戸時代だね。新選組真っ盛りじゃない?ちょうど池田屋事件とかあってさ」