初めて袖を通す着物にドキドキする。 「貴女、不思議な服を着ているのね」 「えっ?」 娘は睦月のワンピースを見て言った。 だが、睦月は驚いた。 自分が着ている服が睦月にとって「当たり前」だからだ。 タイムスリップをしてしまったことを忘れたのだろうか。 目を丸くして娘を見つめた。 「ふふ・・・まぁいいわ。前向いてちょうだい」