海に流すことなく、この箱に溜められている手紙の数が、睦月との開いた時間を表している。 「ごほっごほっごほ」 突然出る沖田の咳は、たまたま廊下を歩く山崎の耳にまで届いていた。 「沖田さんっ!?」 何の予告もなく勢いよく部屋に入る山崎。 「沖田さん!!大丈夫ですか!?」 「だいっじょう・・・ごほっ」 “大丈夫”そう言い終わる前にまた咳が出る。 喉の奥が熱く、より激しくなる。 「沖田さんっ!無理しないで下さい!!」