「彼氏なんて、大学生になってもできるし」 そんな発言に、妃菜は顔をぽかんとさせるだけで何も言わなかったので、睦月は黙って窓の方へと首を回した。 海が見える。 少しの沈黙の後、妃菜がゆっくりと睦月の顔を覗き込んだ。 「もしかして睦月、まだ沖田総司とかいう人と文通してないでしょうね?」 「え!?」 再び勢いよく妃菜を見る。 「し、してないよ!」 文通は、していない。 手紙は書いているけど、海に流してはいない。 「でも今、海見てたでしょ」 「み、見てたけど・・・」