「信じらんない…」
「ていうか、何これ。あり得なくない?」
「でも、あり得てる。奇跡じゃん?」
3人とも驚く顔をする中、睦月だけがどこかキラキラしていた。
「さ、あたし返事書かなきゃいけないから帰るね?」
手紙を再びビンに入れ、睦月は無意味にセーラー服のスカーフを整えた。
「ちょっと待って!」
勢いのある恵理の声に、睦月はビクッと足を止める。
「その手紙、もう1回見せて?」
「え?」
首を傾げながらも、ゆっくりとした手つきで手紙を渡す。
それを穴が空くほど、じっと見つめる恵理。
あまりにも静かで、波の音だけが4人の耳に入る。
そして恵理が口を開いた。
「これ、おかしくない?」
「え?」


