「泣いてない!泣きたくない!!」
思わず本音が出てしまった。
その言葉を理解しようとするも、妃菜には何もわからなかった。
「睦月・・・何かあった?」
「何もないよ。何もないから悲しいんじゃん。あの日会いに行ったのに!!
何で会えないの!?同じ場所に同じ時間に行ったのに!!何で!?
でも、本当はどこかで会えないってわかってた・・・
なのに夢見てあんなとこ行ったんだ・・・
浮かれて奇跡なんて思ってさ、運命なんて思ってさ、あたし馬鹿みたい。
もっと現実見ろって!あの時海に手紙なんて流さなきゃよかった。
返事なんて待たなきゃよかった。こんなに辛いなら、出会わなきゃよかった!
好きって気づかなきゃよかったよー」
睦月は叫ぶだけ叫び終わると、大声で泣き始めた。
「うわーーん。もうやだよー。妃菜ー」
「うん。睦月。よくわかんないけど、今のは睦月の本心じゃないでしょ?自棄になっちゃだめ。とりあえず、お家帰ろう?話なら聞くよ?」
いつもより、どことなく優しい妃菜。
睦月は妃菜に支えられながら、元来た道を戻っていった。
その時、睦月の手には、さっき届いた沖田からの手紙がしっかりと握られていた。


