朝、登校中に海へ寄る。 波が押し寄せ、そしてまた引き返す。 睦月は濡れる一歩前に立ち止まり、届いたばかりの沖田からの手紙を読んでいた。 いや、もう何度もその場で読み返している。 自分の瞳から、自然と涙がこぼれていることも知らずに。 「沖田・・・さん・・・・」 そう呟いて初めて、自分の声が震えていることに気が付いた。 泣いてる・・・・ 堪えようとするも、あふれる涙は止まらない。 「沖田さん、沖田さん、沖田さん・・・・」 何度名前を呼ぶも、返事のない海に、苛立ちさえ感じる。