「ビン?」
恵理は手にとったビンを、傾けたり振ったりしている。
「この間手紙をこうやって海に流したから、多分その返事だと思う」
「返事?」
「でもそれって誰に届くか分かんないんだよね?」
「まぁそうだけど…」
美奈と真帆と、そんな話をしていると、恵理はいつの間にかビンを開け、中に入っていた紙を取り出していた。
そして、1人スタスタと読み始めた。
「なんて書いてある?」
真帆が顔を近づけ、手紙を覗き込む。
「……何、これ」
「え?」
2人のよく分からない反応に、頭に「?」をたくさんつくる睦月。
「誰からだった?」
睦月の中ではもう、自分宛への手紙だと決めつけているらしく、ただ送り主だけが気になっていた。
「誰からっていうか…」
途切れ途切れになる恵理の声。
恵理はゆっくりとそれを睦月に向けた。


