「あの日?」 睦月の頭に「?」がたくさん並ぶ。 教室の騒がしさを気にしている場合じゃないほど、翼の目力は鋭かった。 「お前が早退した日だよ」 「早退・・・早退・・・・」 この3日間、ほとんど寝て過ごした睦月は、記憶が戻るのに時間がかかる。 数秒一時停止のまま考え、思い出した瞬間勢いよく口を開いた。 「行ったかも!!」 「かもじゃなくて行ってるから!何やってんの?熱あるって分かってたじゃん」 予想以上に大声を出す翼が少し怖く感じた。