「何ですか・・・?」 するとその男は、首を傾げながら、後ろの席に座った。 「あれ?俺のこと知らない?同じ中学だったはずだけど・・・」 「知らない」 「まじかよー。板野翼。名前聞いてもわかんない?」 睦月は必死に頭を働かせるが、そんな名前一欠けらも聞いたことがない。 「分かんない」 「そっかー。まぁいいや。覚えといて」 翼はそれだけ言うと、またどこかへ行った。