睦月は左手で頭を支え、じっと海を見つめた。 地平線がはっきりとしているせいか、本当にあの向こう側には沖田がいそうな気がした。 と、その時 「あれ?蒼井?」 後ろから名前を呼ばれた。 自分の名前を知る人がいたのだ。 睦月はうれしくなり、勢いよく振り向いた。 が、見知らぬ顔。 警戒した目でその人を見る。