それからゆっくりと中に入っていたものを手に取る。 お母さんは訳も分からずその光景をじっと見つめた。 そして、 「後片付けしといてーーー!」 ダッシュで家の中に入った。 途中、庭に置いていた鞄を止まりもせずに拾い上げる。 「睦月ーーーー!!!!!!」 お母さんの叫び声はもう小さい。 睦月は逃げるようにして部屋に入った。 2階の窓から、お母さんがため息をつきながらビンの破片をせっせと片付けているのが見える。 「ごめんね?」 聞こえない程度に、謝った。