その時だった。 足音もなく、声がした。 「手紙、来たのか」 あまりの気配のなさに驚き、勢いよく振り向く。 「何だ・・・一くんか」 安心と共に、斎藤の質問に答える。 「うん。やっとね」 「副長の俳句、未来にも残っていたのか」 そういう斎藤に、沖田は目も合わせず無言で睦月からの手紙を渡した。 斎藤が読み終わるまでの沈黙がなぜか苦しい。