「・・・・ビン?」
手のひらサイズの筒状のビン。
まだ薄汚れていて、でも、中に何か入っていることは確かに確認できた。
精一杯力を込めるが、女の力じゃびくともしない。
睦月は「仕方ないな」と辺りを見回し、良い場所を見つけたのか口元を軽く上げ、それを思いっきり地面に叩きつけた。
ガシャンと大きな音が、耳に容赦なく入る。
もちろんその音が聞こえたのは睦月だけじゃなかった。
「睦月!?何してるの!?」
家の中にいたお母さんが慌てて飛び出してきた。
「あ、ごめん。びっくりした?開かなかったから割って開けたの」
「ビン・・・?」
「そう、だから・・・・・・・」
睦月は言葉を止め、お母さんの目を見た。


