口々に自分の思いを吐き捨て、3人は走る睦月の背中を見送った。





そんなことも知らず、ランランランと鼻歌でも歌うように、睦月はスキップで家に帰った。




その日だけは裏に回り、庭の水道管の前で足を止める。




蛇口の下に拾ってきた"何か"を置き、勢いよく水を出した。





「うわぁぁぁぁ」




後先考えない睦月。




予想以上に出し過ぎた水が制服にかかった。




「あちゃ~また汚れちゃった」




そんなのん気なことを口にし、水を緩めてゴシゴシと素手で洗いだす。




道具を使うということを考えなかったのだろうか。




睦月の手はますます汚れていった。





だが、それでも少しづつ綺麗になっていく"何か"。






もう"何か"とは言わせないほど、姿を現していた。